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原題 Neuroscience for Leaders: A brain-adaptive leadership approach
著者 Nikolaos Dimitriadis, Alexandros Psychogios
分野 ビジネス/自己啓発
出版社 Kogan Page
出版日 2016/4/3
ISBN 978-0749475512
本文 「自分はリーダー向きの性格じゃないのに、リーダーを任されてしまった……」
職場やコミュニティでうまくリーダーシップが発揮できず、そう悩む人は少なくない。

本書は、「なぜリーダーシップがうまく働かないのか」「うまくやるにはどうしたらいいのか」を脳科学的な観点から明確に説明、「リーダー向きの性格」でなくても「良いリーダー」になるための道筋がわかりやすく紹介されている。

多くの企業や機関で人材マネジメントやリーダーシップに関するコンサルタントに携わってきた著者が提言するのは、ブレイン・アダプティブ・リーダーシップ(BAL)アプローチだ。これは脳の「思考」「感情」「自動・無意識的機能」「他者との関係性」といった4つの側面にそれぞれフォーカスし、リーダーのあるべき姿に近づくためのアプローチで、

・リーダーに必要な意志力の鍛え方や陥りがちなネガティブパターン思考との取り組み方
・リーダー自身と相手の感情を的確に認識・整理し、正しい方法で感情のバランスをとり、気持ちの切り替えを早くする方法
・プライミング効果やポジティブなクセづけ
・チームメンバーに支持され、協働がスムーズになるような関係作りを目指したコミュニケーション

などの、脳の特性を生かしたやり方が紹介されている。

著者が実際に接した職場や組織のトラブルや「リーダーあるある」をケーススタディに、具体的な解決策が紹介されているので、非常に読みやすく、実践的。