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原題 Treadmill
著者 Hiroshi Nakamura
分野 フィクション/歴史
出版社 Mosaic Press
出版日 2017/5/1
ISBN 978-1771612104
本文 第2次世界大戦中、アメリカは「敵性外国人」を強制収容するという政策をとる。日系人に対しても同様の措置がとられ、アメリカ国内の複数箇所に設置された収容所へと収監されることになった。

本作の主人公、日系2世のテル・ノグチもそのようなひとりだった。父親が突然FBIに逮捕され、一家もまた収容所へと送られることになる。いわれなき差別が渦巻く日々に、母は正気を失い、父は日本へ戻ることを考える。

本書の著者Hiroshi Nakamuraも日系アメリカ人で、主人公と同じように収容所生活を余儀なくされた。本作はその体験を元にしており、主人公の収容先(カリフォルニア州サリナスに一時収容後アリゾナへ、そして再度カリフォルニアの収容所に送られる)も、ほぼ著者の足取りをなぞる形になっている。

著者は終戦直後、複数の出版社に本書の原稿を持ち込んだが、「微妙な問題を扱っている」ことを理由に出版には至らなかった。その後、原稿はアメリカの公文書館に約50年にわたり眠ることになるが、人類学者のPeter Suzuki教授に見出され、遺族の協力のもと、ついに1995年に出版された。本書はその第2版。