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原題 Secrets of the Centenarians: What is it Like to Live for a Century and Which of Us Will Survive to Find Out?
著者 John Withington
分野 社会
出版社 Reaktion Books
出版日 2017/9/1
ISBN 978-1780238180
本文 1995年10月、フランス人女性ジャンヌ・カルマンが、私たちの知る限り、人類史上最高齢となる120歳と238日に達した。彼女はその後も2年近く歳を重ねた。前人未踏の年齢に達するまでの長い道のりで、彼女の仲間はどんどん増えていった。100歳以上の人口は、他の年齢層と比べて最も急激に増加しており、イギリスでは100年前と比べて90倍以上になっている。本書では、100歳以上の人口が驚異的な速度で増えている理由をさまざまな角度から徹底的に調査した。

100歳まで生きられるのは誰で、途中で脱落するのは誰か? 著者はその決め手となる要因を次々と探っていく。生活習慣や遺伝子によって決まるのか? 住む場所は関係するのか? 100歳まで生きるのはありがたいことか、それとも忌まわしいことか? そして最後に、100歳以上の人口が増えつづけているという現実を踏まえ、それでも私たちの寿命に限界はあるのか、という疑問に迫る。

深い考察や徹底したリサーチだけでなく、エンターテイメント性にも優れた本書では、年を取ることに関して好奇心を大いにそそられる秘密が明らかにされる。膨大な情報を元に次々と披露される知識が圧巻。長生きに興味がある人におすすめなだけでなく、世界各国の長寿の文化史としても楽しく読める。