ブックレビュー ブックレビュー

原題 Hello, It’s Me: Dispatches from a Pop Culture Junkie
著者 Chris Epting
ページ数 312ページ
分野 社会学(ポップカルチャー)
出版社 Santa Monica Press
出版日 2010/7/1
ISBN 978-1595800534
本文 1972年から2010年まで、およそ40年間にわたるアメリカン・ポップカルチャーをコラム形式で紹介。取り上げている分野は音楽、文学、映画、舞台、野球、バスケットボール、政治など幅広く、アメリカン・ポップカルチャーの潮流を俯瞰する年代記のような作りになっている。

著者は1961年生まれ。1972年にルッキング・グラスの唯一のヒット曲「Brandy」を耳にしたとき、著者はまだ小学生だったはずだが、そのときの記憶、曲から受けた影響について、鮮やかな筆致で綴られている。また、本書のタイトルにとられたトッド・ラングレンの1972年のヒット曲により、著者はラングレンに傾倒するようになる。

各章の冒頭には、著者が好きだったテレビ番組、映画、音楽がリストアップされていて、読者はこのリストを見るだけでも、当時の自分自身を思い起こし、ノスタルジックな気分に浸れるだろう。また、若い世代の読者には、70年代以降のアメリカン・ポップカルチャーのガイドブックとして楽しんでもらえるはずだ。

「ポップカルチャー・ジャンキー」という副題に恥じることのない一冊。