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原題 Cyber Wars: Hacks that Shocked the Business World
著者 Charles Arthur
分野 コンピュータ/インターネット
出版社 Kogan Page
出版日 2018/5/3
ISBN 978-0749482008
本文 一般の人々にとっても企業にとっても、ハッキングにあうというのはショッキングな出来事である。自分たちの大事なものが、突如として攻撃対象にされてしまうのだ。だが、ハッカーたちにとっては、ハッキングは自分たちの力量や度胸をためすための、一種のゲームのような行為に過ぎない。

本書では、これまでに起きた大規模なサイバー攻撃をいくつか取り上げ、その緊迫した内幕を明かす。どれも世界中の企業を震撼させ、経営陣が自らの率いる組織の安全対策を再考するきっかけとなった事件である。著者はそれぞれの事件において、どうしてハッキングされたのか、どんなテクニックが使用されたのか、その結果とし何が起きたのか、また、どうすればハッキングを防ぐことができたのかについて、興味深い解説を展開している。さらに、ハッカーの思考についても深く掘り下げ、大きな被害を被りかねないセキュリティ上のミスを防ぐためのアドバイスも示す。

どんな組織も、絶対にサイバー攻撃にあわないとは言い切れない。だが、ハッキングの現状や、予測される危険性を理解しておけば、少なくともその脅威を最小限におさえることは可能なのだ。