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原題 Your Health at Work: An Indispensable Guide to Physical and Mental Wellbeing
著者 Trades Union Congress (TUC)、Becky Allen、Howard Fidderman
分野 社会/法律/健康
出版社 Kogan Page
出版日 2018/9/3
ISBN 978- 0749481506
本文 本書は、仕事や職場における健康に関してイギリスの労働者向けに書かれたガイドある。TUC(労働者会議)および労働組合のメンバーのサポートを受け、専門家が執筆にあたった。

なぜ、職場での健康がテーマになっているのか。イギリスの統計では、仕事が原因で病気になったり、病状が悪化したりする人は年間で130万人。年間で2千570万日の労働機会が失われている。これは、健康を害して幸福な生活を送ることができないという問題だけではなく、労働者や雇用主、政府にとって経済的な損失でもあるからだ。

英国社会および法律に沿った内容だが、健康に影響を与える社会変化など日本との共通点は多い。たとえば、労働者の高齢化という問題がある。イギリスでは法律の整備が進み、年齢による雇い止めは禁止されている。しかし、高齢者は裏付けのない話や固定観念で判断されていると著者は指摘。高齢者は若者に比べて病欠が多いと言われるが、実際はその逆である。高齢者に対する偏見をなくし、働きやすい環境の職場を作ることは、あらゆる労働者にとっても健康的な職場になると結論づける。

また、移民労働者の健康に関しても取り上げている。イギリスの労働者10人のうち1人は外国からの移民である。言葉の問題や慣れない環境のため、他の労働者に比べ健康リスクは高い。外国人労働者受け入れの拡大が議論されている日本にとって、無視できない非常に重要な事柄である。

各章が短く具体的な実例も多く、どこからでも読み始めることができる。国は違っても、労働者が抱える問題に大差はないと痛感させられる一冊でもある。