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原題 Runner
著者 Lizzy Hawker
分野 スポーツ/ノンフィクション/自伝
出版社 Aurum Press
出版日 2018/4/2
ISBN 978-1781311479
本文 女子ウルトラトレイル界の第一人者Lizzy Hawkerが世界最高峰の長距離山岳レースやエベレストでの長距離レースへの挑戦を語る、すべてのランナー必読のノンフィクションである。

前半では、フランスでおこなわれる長距離山岳レースの世界大会ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)で初優勝した2005年のレースを回顧し、限界を超える走りがなぜ可能なのかを語る。彼女はこのレースで5度(2005年、2008年、2010〜2012年)優勝している。

2007年からはネパールで、エベレストのキャンプからカトマンズまでの間の320キロのコースの最速記録に挑戦しはじめる。初挑戦のときの記録は77時間36分だったが、2013年には63時間まで記録を短縮している。ほかにも本書には、彼女のネパールへの惜しみない愛情が語られる。

2013年以降は骨折などの故障も多く経験したが、それでもなお彼女はレースに出場している。後半ではそうした果敢な挑戦が語られる。実際にHawkerの回復力には驚くべきものがある。彼女は「ウルトラランニングは、男性よりも女性の方が向いている」と話す。

博士号を持つアスリートだけあり、文学作品からの引用や精神的な話も多く、走りのテクニック的な側面よりも彼女の生き方や哲学を感じることができる。仏教哲学などにも造詣が深く、日本の比叡山でおこなわれている千日回峰行(7年間にわたって、比叡山の峰々を1日30キロ以上歩く修行)についても紹介している。

『BORN TO RUN 走るために生まれた』(クリストファー・マクドゥーガル著、NHK出版)の読者やすべてのランナーに捧げられた本である。読み終わったら、すぐに山を駆けまわりたくなるはずだ。