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原題 FUTURE CITIES: Architecture and the Imagination
著者 Paul Dobraszczyk
分野 社会/建築
出版社 Reaktion Books
出版日 2019/2/28
ISBN 978-1789140644
本文 SF小説、映画、コミック、幻の建築プロジェクトといったおおよそ100年分のアーカイブ。更には、20世紀後半から姿を現す、ゲーム、デジタルアートといった作品たち。我々はそれらの中に大量かつ多様な形の想像上の都市を見て取ることができる。

本書の狙いは、これらの想像上の都市を、建築のプラクティス(という事実)の中に見出すことだ。イマジネーションが都市の未来について考える時に強い影響を持つこと。その影響がいかに現代の都市のデザイン・人々の生活に表れているか。ふんだんに写真・イラストを用い明らかにする。

本書は、現代の都市生活が直面する脅威について、また、それらに対処するうえで、いかにイマジネーションが力を持つかについて、3部構成、計7章に渡って論じる。

第1部では主に気候変動がもたらす脅威に対していかに都市が適応するかを記述する、第2部では高層建築・地下空間に象徴される社会における経済的分断に焦点を合わせる。そして第3部では紛争やテロ、災害といった様々な理由から荒廃する都市とそれに対するアプローチを扱う。