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原題 GILDED YOUTH: Privilege, Rebellion and the British Public School
著者 James Brooke-Smith
分野 歴史/教育/社会
出版社 Reaktion Books
出版日 2019/2/28
ISBN 978-1789140668
本文 英国のパブリックスクールは象徴的な教育機関だ。中世にさかのぼることの出来るその歴史の大半は、寄宿制の中高一貫の男子校であった。それは支配層エリートのためのものであり、国家のアイデンティティーならびに伝統の象徴であった。

しかし、階級社会たる英国において、そこに籍をおいた者がみな、手にした「特権」を自明のものとして受け入れたわけではなかった。この中枢たる教育機関は、英国における反体制文化の担い手を多く輩出した。ジョージ・オーウェルからピーター・ガブリエル、それにリチャード・ブランソンなど枚挙にいとまはない。

著者のジェームス・ブルック=スミス自身もパブリックスクールに在籍していた。彼は本書で、300年にわたるパブリックスクールの歴史をさかのぼってその実情を明らかにする。

その内容は、18世紀終わりに多くのパブリックスクールに波及した武装反抗を扱った「栄えあれ、反抗(第1章)」、1930年代の共産主義に対する恐慌を描いた「赤の脅威(第6章)」、さらにはビクトリア時代(19世紀)に生徒を取り巻く「性」について扱った「ビクトリア時代の男子生徒の秘密の生活(第3章)」と実に多彩だ。

著者はまえがきで「本書は政治を論ずるというよりむしろ歴史の研究だ」と述べている。明らかにされるのは歴史においてパブリックスクールが強い影響力を持ち、またこれからも持ち続けるであろうことだ。