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原題 Was bisher geschah: Eine kleine Weltgeschichte
著者 Loel Zwecker
分野 歴史
出版社 Pantheon Verlag(ドイツ)
出版日 2010/8/30
ISBN 978-3570551271
本文 古代から現代、ヨーロッパからアフリカ、アジア、アメリカまで、人類の歴史を現代人の視点からクローズアップする斬新な歴史読本。なぜ新約聖書はベストセラーになったのか? ローマ帝国とアメリカ合衆国は運命共同体? 宗教改革は共産主義思想から始まった? 宣伝文化の先駆け、プロパガンダが生まれた経緯。アジア仏教は宗教政治のパイオニア? 歴史学を超えて、現代人にとっての真の歴史の意味を探る。

若手作家ならではの、軽妙な筆致は読んでいて飽きない。歴史的人物や歴史的事件を時系列に並べた一般的な歴史本では、読者はいったん現実から目をそらし、歴史の世界にどっぷりと浸かるしかないが、本書ではその必要がない。著者はルネサンスを説明しながら、同時にインターネットがはびこる現代のメディア革命を語る。今日のデジタル・メディア革命を前人未踏の大変革のように思われるが、ルネサンスの文明開化も、暗黒の中世を引きずる当時においては前代未聞の大事件ではなかっただろうか? そう考えると、歴史はとても身近なものに思えてくる。

著者のあっと驚く連想に、読者は感動せずにはいられないだろう。