ブックレビュー ブックレビュー

原題 A Nuclear Family Vacation: Travels in the World of Atomic Weaponry
著者 Nathan Hodge, Sharon Weinberger
分野 科学/原子力/政治/外交
出版社 Bloomsbury USA
出版日 2008/6/10
ISBN 978-1596913783
本文 ジャーナリスト・カップル、ネイサン・ホッジとシャロン・ワインバーガーが、秘められた核兵器世界探訪の旅に出かける。

道中、2人はイランのエスファハーン・ウラニウム転換施設、マーシャル諸島にあるクワゼリン・アメリカ軍前哨基地、テネシー州にあるY-12戦闘機専用施設、また「裏国防省」として知られ、ブッシュ政権下でチェイニー副大統領の個人的「非公開場所」とも噂された「サイトR」など、国家機密扱いの施設も訪れ、「核兵器は依然として反撃即応体制なのか?」、「スーツケース型核兵器のようなものがあるのか?」、「イランは本当に核爆弾を製造しているのか?」といった質問を投げかけていく。そして、この旅によって明らかにされたのは、他国には軍縮を強いながら、アメリカが核備蓄を増大させようとしている事実だ。

世界情勢を織り交ぜつつ、核の知られざる世界を紡ぎだした一冊。