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原題 World Cup Stories
著者 Bernard Lions
分野 スポーツ
出版社 Olo(仏)
出版日 2014年春予定
本文 多くの写真、エピソード、インタビューを通して、ワールドカップの魅力を伝える書。各大会の概要と試合結果、得点王、活躍したチームの特徴といったデータも満載。

類書と比べても際立っているのが、ヨーロッパの専門記者ならではのかなり突っ込んだエピソードやインタビューが掲載されている点だ。78年当時のオランダ代表ヨニー・レップは、インタビューで「アルゼンチンにワールドカップを奪われたことはいまだに悔しい」と語っているが、「今だから言えるが(同じオランダ代表の)ディック・ナニンガがレッドカードで退場したのは、おそらく自分が審判に卑猥な暴言を浴びせたのを審判が聞き違えたためだ」という。また、86年大会に参加したフランス代表ジャン・ティガナは、ブラジル戦を勝利で終えた後のロッカールームでは誰もが号泣していたと語る。

当時を思い出しながら読んでも、見られなかった大会に思いを馳せながら読んでも楽しめる。2014年ブラジル大会に向けて、これまでのワールドカップを振り返るのに最適の一冊。