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原題 The Sports Gene: Inside the Science of Extraordinary Athletic Performance
著者 David Epstein
分野 スポーツ/遺伝学/解剖学
出版社 Current Hardcover
出版日 2013/8/1
ISBN 978-1591845119
本文 スポーツに打ち込んだことがあれば、誰でも必ず一度は疑問に思うことがある。「スポーツの才能は遺伝するのか、それとも後天的な環境によるものなのか」。高校でジャマイカ人、大学でケニア人と競争した著者ももちろん例外ではなかった。しかし、大学時代に同じトレーニングを受けたチームメイトも、それぞれ別のタイプの選手になった。遺伝でも環境でもなければ、アスリートの差を生み出すものは何なのか。

本書は、アスリートの才能のルーツを求めて赤道直下から北極圏まで足を使って取材した労作で、さまざまな発見に満ちている。たとえば、トレーニングは誰にでもできることと思われがちだが、「トレーニングで伸びるための能力(訓練可能性)」には重要な遺伝成分があること。野球のバッターがボールに対して見せる反応は先天的なものかと思いきや、プレーの中で蓄積された能力であること。さらに著者は、人間だけでは飽き足らず、筋肉量をめぐっては犬の突然変異体まで取材する。また、才能というポジティブな面だけではなく、遺伝による心臓発作の危険性といったネガティブな面も掘り下げる。

アスリート自身も、スポーツに興味のある一般読者も、競技に対する見方が変わるかもしれない一冊。