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原題 El lechero en bicicleta: Cómo subirse a la revolución digital sin caerse en el intent (The Milkman on Wheels: A Tale of Brands in Social Media)
著者 Jenny Jobring, Franc Carreras
分野 小説/ビジネス/経済
出版社 Conecta(スペイン)
出版日 2013/2/19
ISBN 978-8415431442
本文 昔、山の中にヒルビルという小さな町があった。人々は1つの丘に1軒ずつ家を建て、離れて暮らしていた。市場は丘に囲まれた谷間にあり、そこへ行くためには歩いて丘を登り降りしなければいけなかった。

そんな町にダンロップという男が現れ、町の人が見たこともない「自転車」を売り始める。「より速く移動できる」という言葉に魅せられて乗る人が現れ、やがて自転車は町に広がっていく。

ある日、牛乳屋は自転車で配達をすることを思いつく。だが、牛乳屋は、自転車で配達することを優先したがために牛の病気を見過ごし、その牛の牛乳を飲んだ人が体調を崩したことでトラブルとなる。さらに自転車事故も起こり、自転車を禁止する動きも出た。急な社会の変化にとまどう町の人々。「自転車が悪の根源」という人もいれば、「悪いのは人、自転車ではない」という人もいた。

町の人々は、自転車をめぐり、またそれぞれの商売を通して、一度動き始めた社会の変化は止められないことや、顧客のことを知りたければ自ら顧客の中に入っていかねばならないことなどを学んでいく。

「自転車」を題材として、新しいテクノロジーの到来がどのように社会やビジネス体系を変えていくかを描いた作品。

(*英語原稿あり。英語からの翻訳可)