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原題 Heroes, Villains & Velodromes: Chris Hoy & Britain's Track Cycling Revolution
著者 Richard Moore
分野 スポーツ/オリンピック
出版社 HarperCollins UK
出版日 2008/7/1
ISBN 978-0007265312
本文 本書は、大英帝国勲章MBEを受賞したサー・クリス・ホイ選手の半生とレースを、自身も自転車競技選手の経験を持つ著者が、競技者としての視点から描いた興味深い作品である。

クリス・ホイはBMXとボートの選手として競技人生をスタートさせた。1999年からは多くの国際大会で輝かしい成果を上げ、オリンピックには、シドニー、アテネ、北京、ロンドンと4大会連続出場を果たしている。特に、北京オリンピックではトリプルクラウン(スプリント、チームスプリント、ケイリン)という大記録を達成した。

本書では特に、世界選手権、ボリビアでの1kmタイムトライアル世界記録への挑戦、日本での競輪レース参加、北京オリンピックと多忙を極めた2008年が詳細に語られ、イギリス代表チームとの関わりを通して、過密日程においてもスポーツマンシップを失わないクリス・ホイの姿勢が浮かび上がってくる。

自転車競技にあまり馴染みのない読者のために、自転車競技自体に関する解説も織り込まれているため、クリス・ホイの名前は知っていても自転車レースを知らない読者も多いに楽しめる一冊に仕上がっている。日本での競輪レースについての記述もあり、本書をきっかけに自転車レースに関心を持つ読者が増えることが期待される。