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原題 Das Auto. Die Lüge. Die kriminellen Machenschaften von Volkswagen und der deutschen Autoindustrie
著者 Heiko Haupt
分野 政治/社会
出版社 Redline Verlag(独)
出版日 2015/12/10
ISBN 978-3868816204
本文
ドイツの自動車産業で圧倒的な存在であり、責任と持続性を大きく掲げている自動車メーカーであるフォルクスワーゲンが、自動車関連では近年最大のスキャンダルを起こしたことは記憶に新しいだろう。

しかし、フォルクスワーゲンの排気ガス操作は氷山の一角にすぎなかった――強力な圧力団体に守られたドイツの自動車産業は、ドライバーをさらに広範囲に、さらにあつかましく騙している。スノータイヤの嘘から始まって、現実ではほとんどありえない燃料消費量の提示や、計画から少しでも外れるとまったく成功しない、あまりにも厳密に計画されすぎた衝突試験など、枚挙にいとまがない。彼らは犯罪的ともいえる努力で規格を迂回し、環境に対する優しさと経済性をドライバーに信じ込ませているのだ。

不正追求で有名なジャーナリストHeiko Hauptが、フォルクスワーゲンと他の自動車メーカーが、長い間いかにドライバーに金銭的負担をかけ、損害を与えながら騙し続けてきたかを暴く。