ブックレビュー ブックレビュー

原題 A Curious History of Mathematics
著者 Joel Levy
分野 数学
出版社 Andre Deutsch
出版日 2016/3/3
ISBN 978-0233004877
本文 数学ときけば難しいというイメージが先行し、必要もないのにわざわざ今さら知りたくもないという人が多いのではないだろうか。実際、小難しい数式や公式や定理など、学生時代に苦しめられた数学の理論は、実生活ではまず必要のない知識に思える。本書は、そうした数学に対する「先入観」を払拭する。

好きでも嫌いでも、人間は誰でも無意識のうちに数学的知識を駆使しながら暮らしている。リンゴ1個選ぶにもどのリンゴが一番大きいか対比しているし、ピザを均等に切り分けるにも時計を見て時間を計るにも、とにかく数学の知識が必要だ。

本書は、こうした数学の基礎的な理論、理屈が、どうやって現在の姿に変化してきたのかをわかりやすく丁寧に解き明かす。難解な数学理論も、歴史上の人物を通して物語のような筋立てで説明されると、自然と無理なく読み進められる。読み終わる頃には、おぼろげにしか覚えていなかった三角関数や微分・積分、あるいはカオス理論などが、「目からうろこ」のごとくによく理解できるようになる。