◇◇ フランクフルトブックフェア 2006 最新レポート ◇◇

今年も世界最大の図書展、フランクフルトブックフェア(10月4日〜8日)に参加してまいりました。500年近い歴史があるというこのブックフェアには、世界各国から6000社近くが出展し、会場は延べ30万人近い来場者で埋め尽くされます。私たちJapanese Writers’ House (以下、JWH)は今回のブックフェアで様々な成果があったため、すべてをお伝えするのは難しいのですが、今回は海外出版される3つの作品をご紹介したいと思います。

まずひとつめは『フリースドッグ』(2004年/文化出版局刊)。フリースドッグとは、著者のSINCOさんが考案した、羊毛や犬の毛で作る小さな犬です。羊毛のような、フワフワした・・・という意味のFleecyからフリースドッグという名前をつけたられたそうなのですが、この小さなわんこたちの実に愛らしいこと!

▼著者SINCOさんの公式ページ:http://sincoweb.com




このわんこたちを見ると、犬好きはたちまちメロメロになってしまうようです。不思議な形状をした針を原毛にサクサクと刺す、ただそれだけでいろいろな犬達が簡単に誕生するのです!私も一度作ってみましたが、これはハマります。本物感を出す為に各犬種にあった羊毛の毛質や色をたくさんの種類の羊毛から選びだし、それをさらにミックスしてあげることで微妙なグラデーションを作り出すという精巧さ。NHKの『おしゃれ工房』にも出演、女性誌でもたびたび取り上げられるなど、大活躍のSINCOさんですが、このフリースドッグを海外の出版社が放ってはおきませんでした。あのグルマン賞を取った栗原はるみさんの本を出したことで有名なコンランオクトパスグループの出版社が『フリースドッグ』の英訳版を出すことを決定。社長自らが大変な気に入り様で、今年のクリスマスで一番の目玉商品となるそうです。詳細は明らかに出来ませんが、クラフト本としては通常の10倍近い初版部数でスタートし、イギリス、アメリカはもとより、世界各国での出版の可能性が高まってきました。犬好きは世界中にいるものなのですね!フランクフルトで展示されていたこの特大パネルを見たときには、感慨もひとしおでした。

著者のSINCOさんにはこの先にも様々なアイデアがあり、私たちJWHとともに世界中の犬好き、手芸好きの人たちをメロメロにする計画を立案中です。ちなみにSINCOさんは出版社のたっての希望で、11月にプロモーション活動のため渡英されます。フリースドッグは世界中で愛されることになるでしょう。

さて、次は、以前にもお伝えしたことのある『おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと』(2002年/リヨン社刊)ですが、これも今年のクリスマスにイタリアの大手出版社から出版されることになりました。
 

横浜市の池川クリニック院長 池川 明 氏は、これまでまともに取り上げられることが少なかった「胎内記憶」に着目し、子どもたちが話すおなかの中にいたときの記憶や、その話を裏づけるお母さんの証言をもとに本にまとめられました。とてもかわいいイラストで綴っていて、読み進めるうちに生命の神秘と不思議さを感じさせる一冊です。安藤優子さんの『スーパーニュース』でも取り上げられ、たいそう注目されましたが、今回のイタリア語版の刊行をきっかけにヨーロッパ全土でも大きな反響がありそうです。今回のフランクフルトでも、世界中の出版関係者からの問い合わせが殺到し、イタリアの代理人が対応に苦慮したほどでした。

私たちJWHのホームページにも、世界中の方から「どこで購入できるの?」という問い合わせがあるくらいです。どうやらこの「胎内記憶」を経験している人は世界中にいるらしく、しかもそれをこんなに可愛らしい本で共感できるのは世界でもめずらしいのでしょう。これを妊娠中のお母さん向けのギフトブックにしたいとイタリアの出版社は考えているようです。この出版社は発行部数200万部を超える女性誌を持っているため、大きなプロモーションにつながることは確実。以前、池川先生にお会いしたとき、「この『胎内記憶』をきっかけに、生命の神秘に思いを馳せ、親子の絆が強まり、ひいては世界平和につながるといいのだが」という思いを語ってくださいました。ちょうど核問題などできな臭い世界情勢になりつつ昨今、先生の思いが実現してほしいと切に感じます。
 

さて、最後の一冊は、前回もお伝えした作家田口ランディさんの『コンセント』(2000年/幻冬舎刊)イタリア語版です。すでにロシアでも出版が決まっていて、その他の国でも相次いで出版が決まりそうな勢いです。時を同じくしてナポリ映画祭にて映画版『コンセント』が出展されるため、来週から田口ランディさんとイタリアに行きますが、ローマとナポリでもプロモーション活動が行われる予定です。彼女の作品は容易に国境を飛び越えるようです。作品の持つ普遍的なテーマと、人間の本質や魂を炙り出すその過激なテクニックは、海外の関係者からも絶賛の声が寄せられています。ローマ、ナポリでの様子は次回お伝えしますので、どうぞお楽しみに!

誌面の関係上すべてをお伝えできないのが残念ですが、その他の作品に関しても数多くの反響やリクエストがきております。また、JWHが世界の出版関係者約7500名に発行するニューズレターが徐々に注目されてきていて、今回のフランクフルトでも数多くの関係者から激励のお言葉をいただいてまいりました。ひとつでも多くの日本の作品を世界に出していくのが私たちの夢であり情熱です。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

TranNet ライツ事業部:近谷浩二
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