ロンドンブックフェア 2009
April 20 - 22, 2009
London, U.K.

London Book Fair 2009


先週20日から開催されたロンドンブックフェアに参加してきました。今回は飛び立つ直前に予約便のダブルブッキングが発覚。急遽別の便に振替えられましたが、先方のミスだったこともあり、エコノミークラスからビジネスクラスにグレードアップというラッキーな展開に! それにしても、ビジネスクラスとエコノミークラスとは天と地ほどの差があるんですねぇ。上着は預かってもらえるし、名前で呼んでもらえるし、ワインやオードブルは美味しいし、食事の差はもう歴然。マッサージ付チェアのおかげで最後はすっかりリフレッシュできました。帰りの便はエコノミークラスだったので、サービスの落差が正直怖かったのですが、なんと今度はフライトアテンダントが大学時代の友人だったのです! アンビリーバボー!! 何かと彼女の配慮をいただきながら、最後はファーストクラス客用のギフトを山盛り頂いたのでした。

さて、ロンドンブックフェアに話を戻すと、欧米の出版関係者も世界的な経済危機の余波を受け、参加者数は例年に比べてかなり減少していたようです。

    

どの関係者からも、この不況の中、なんとか生き残りをはかるためには大胆な試みも厭わないといった雰囲気が感じられました。私たちは日本の作品の紹介を主目的とし、各国の担当者とお会いして売込みを行ったのですが、例年にも増して日本の書籍コンテンツを活用し、活路を見出そうとする関係者が増えたような気がしました。

ある担当者は「マンガはアメリカではもうすっかり根付いていて、これだけ注目されているんだよ」と、ニューヨーク・タイムズの記事を持ってきてくれました。
また、ワイリー社という、実用入門書「ダミーズ・シリーズ」をブランドに持つ世界でも有数の大手出版社が、日本のマンガイラスト付きのサイエンス新書シリーズの斬新なアイデアと読みやすさに感嘆の声をあげていました。活字離れは世界的な傾向のようですが、日本のイラストや図解のクオリティーは頭抜けており、読者フレンドリーなコンテンツ制作力は世界一だと断言できます。今後、エンターテイメントとしてのマンガの次に、マンガや図解入りの実用書が脚光を浴びる可能性もあります。もしかすると、日本で出版された作品を翻訳する、というよりは、企画段階で世界の出版関係者から日本に依頼が来て、世界数カ国で各国語版の共同出版が成立する、というようなこともありえるかもしれません。こうなれば、大きなビジネスチャンスになるはずです。日本の出版社だけではなく、企画力、制作力、情報発信力を持った個人や編集プロダクションが大いに活躍することだってあり得るのではないでしょうか。そんな中、小社の進める、日本の作家のための英語圏での自費出版サービスに対しても多大な関心が寄せられ、イギリスの大手リテラリーエージェントや出版社からも、英訳が完成した時点でゲラを送ってほしいというリクエストが相次ぎました。


今回、会場のいたるところに電子ブックリーダーが展示してありました。 電子書籍の裾野は徐々に広がりを見せているようです。Amazon.comが開発したキンドル2が最近マスコミを賑わせていましたが、欧米の友人によると、実際に周りで電子書籍を読んでいる人はまだそう多いわけではないとのことでした。まだまだこれからなのでしょうが、ぜひ一度使い勝手を試してみたいものです。 世界的な出版不況の深刻さが感じられる一方で、新しいアイデアや企画力さえあれば、まだまだ眠っているビジネスチャンスはあると実感した今回のロンドンブックフェアでした。

(近)

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