『 マイティ・ハート 』著者 マリアンヌ・パールによる記念講演が開催されました。


  フランス人ジャーナリストの妻が書き綴った
     ” 共戦のメモワール ”

物語の展開から、私達は目を離すことが出来ない!

『ウォールストリート・ジャーナル』の新聞記者であった夫、ダニエル・パールのテロリストによる誘拐。その後の無残な結末に遭遇しながらも、決してテロには屈しないという強い意志を持つに至る真実の体験。

   『マイティ・ハート』
  新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死
  (マリアンヌ・パール著、高濱賛訳、潮出版社)

本書は今、大きな反響と感動を呼んでいる。
TranNetは翻訳のお手伝いしたことから、先日、著者の講演会に参加してきた。

マリアンヌさんはややフランス語訛りの英語で、淡々とこれまでの道程を語ってくれた。事件当時、彼女は、自らもジャーナリストとして夫のダニエル・パール記者とともにパキスタンのカラチに滞在していた。もちろん、危険な任務に就いていることは二人ともに自覚していたが、よりによって安全対策には抜かりのなかった夫が誘拐されるなど、最初は信じられない思いだったという。

彼女は当時妊娠していたにもかかわらず、すべてをなげうって夫を救済するために奔走する。彼女の意志に突き動かされた地元の警察もチームを結成し、皆で励ましあい、温かい言葉を交わしながら、次第に強い友情で結ばれていくのを目の当たりにして、彼女自身も大きな感動を覚えていった。パキスタンの文化では、通常、警察とジャーナリストとが一緒に仕事をする、いわんや女性、しかも妊娠しているアメリカ人と協力しあうなど、考えられないことなのだという。

夫の死を知らされたときには、あまりの衝撃に、外に飛び出して銃を手にとり、復讐してやりたいという衝動に駆られたマリアンヌ。しかし、ある思いが彼女を押しとどめた。仮に夫を殺害したテロリストに復讐を果たせたとして、自分ははたして心の底から喜こぶことができるだろうか。自分の感情を破壊してまで復讐に走るのは、本当に復讐したことになるのだろうか。人間としての感情を手放さず、さらに自分が幸福だと言い切れることが、テロリストに対する本当の意味での勝利になるのでは、という思いに至ったのだ。

会場ではユーモアも交えながら、多くの参加者と交流を深めていたマリアンヌさん。息子のアダム君を抱き上げて相好を崩す彼女は、小柄でとてもチャーミングな女性だ。と同時に、まっすぐに相手を見つめる瞳に彼女の強い意志と勇気が現れ、人間とはここまで強くなれるものなのか、と内心驚愕する思いで彼女のたたずまいを見守っていた。

あのブラッド・ピットもこの勇気ある女性に心を打たれ、今、本書を原作にした映画の制作を進めているという。

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