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原題 Revenge: A Short Enquiry into Retribution
著者 Stephen Fineman
分野 社会/心理学
出版社 Reaktion Books
出版日 2017/10/1
ISBN 978-1780238401
本文 復讐心は争いや正義の中心となる原始的な力であり、人類が誕生した当初から存在している。私たちは“痛み分けにすること”によって、関係性のバランスを取り戻し、秩序をもたらすことができる。つまり、不完全もしくは不公平な司法制度によって生まれた真空を埋めることができるのだ。

しかしよく言われているとおり、復讐心は抑えが利かなくなる可能性があり、復讐の連鎖は破滅をもたらす。また、デジタル・メディアは安楽椅子復讐者という新しい世代を生みだし、現実または仮想の恨みを晴らしながら新たな恨みを作りだしている。国家に対する脅威に対処する、名誉を挽回する、競争相手
を打ちまかすというような大義名分が認められないかぎり、復讐心というものは非難されがちだ。

復讐はどのようなときには許されるべきなのだろうか? もしくは祝福さえされるべきものなのだろうか? 誰もが潜在的な復讐者であるなら、私たちはいったいどんな存在なのだろうか? 

本書で著者は、復讐心のふたを開け、職場や親密な関係、社会的正義、戦争、政治において、復讐の好奇心をかきたてる正体を明らかにする。また、復讐を心理学的に観察し、その体験例を検証。ネットストーカーやリベンジポルノなど、最近見られるようになった事例についても触れている。