トランネット会員とは

トランネット会員とは

トランネット会員とは

参加費用と支払方法/更新・退会手続き

トランネット会員の
翻訳ストーリー

会員規約

新規会員登録

連載企画 Day to Day

連載企画 Story for you

株式会社トランネットTwitter

トランネット公式Facebook

English Websaite

JAPANESE WRITERS'HOUSE

出版翻訳の舞台裏Column

トランネット会員の翻訳ストーリー

柴田浩一

訳書名 『ビジュアル大図鑑 宇宙探査の歴史』
訳書出版社 株式会社東京堂出版


翻訳ストーリー

 苦手ではないが好きでもない、学生時代までの英語はそんな微妙な存在でした。工学系の勉強をする中で、翻訳された専門書には大いに助けられてきました。就職してからは原書を読む機会も増え、かつての英語の授業で悩まされた文学系のテキストに比べると、ずいぶんと読みやすく感じたのを憶えています。面倒臭かった英語は必要不可欠な道具へと変わりました。
 十数年勤めた職場を辞め、子供の面倒をみながらできそうな仕事として在宅での翻訳を選びました。とはいえ未経験者がすぐに受注できるような世界ではありません。開店休業状態の中で見つけたのが、当時まだ草創期に近かったトランネットです。さっそく入会してオーディションに応募し、翻訳講座も受講するなど修行を始めました。
 レベルチェックやオーディションでの評価が徐々に上がっていく中で、応募したJob Shopのチェッカーの仕事を依頼されました。これが結果的に良い勉強になります。選出された訳者さんの書く文章は読みやすく、たいへん参考になりました。チェッカーの作業には原著者の視点と読者の視点の両方が必要ですし、原書と訳文のそれぞれに含まれている怪しい記述を見つけ出すコツもつかみました。
 そうこうするうちに、いよいよ翻訳の仕事が回ってきました。得意とする自然科学系の書籍です。他の投稿者さんの多くが本欄に書かれてきたように、コーディネーターさんやチェッカーさんをはじめとする様々な方に助けられながらの納品でした。自分の名前が表紙に載った本が書店に並んでいるのを見ると感激もひとしおですが、出版に至るまで尽力されたすべての皆様の想いに対する責任も負っているのだと、身の引き締まる思いも感じています。
 トランネットとの出会いが出版翻訳への道を開いてくれました。この仕事を通して、若い頃に世話になった数多くの翻訳書に対する恩返しが少しでもできたらいいと思っています。
※柴田様にはほかに多くの共訳、翻訳協力案件があります。

布施雄士(第598回オーディション作品入賞者)

第598回 オーディション 作品入賞

訳書名 『世界で一番美しい鷲の図鑑』 
訳書出版社  株式会社エクスナレッジ



翻訳ストーリー

以前まで私は獣医師として、動物や基礎医学の研究をしていました。海での生活に適応したアザラシの呼吸の不思議を調べたり、農場で暮らしている牛や豚に使うワクチン開発に携わったり、小型の魚を対象にして薬の効果を評価したり……。
色々な研究プロジェクトに参加するうちに、1つ気づいたことがありました。それは、自分が「文章を書くことが得意」ということです。「大学に行くような人なら、文章なんて誰でも書けるのでは」と思うかもしれませんが、整然とした読みやすい文章を書けるようになるにはトレーニングが必要で、たとえ大学を出ていても文章が得意な人は意外と少ないのです。これに気づいた私は、2018年4月からフリーランスとして、自分の得意な生物学や医学を中心に、ライティングと翻訳の仕事を始めました。
書籍翻訳の仕事をいただいた時は、「本1冊」という膨大な文章量に心が押し潰されそうでしたが、いざ取り掛かってみると、自分の得意な「書く」スキルを生かせる仕事であると気づきました。翻訳はたしかに「外国語を日本語にする作業」ですが、一般向け書籍では、いかに読み手にストレスを与えず、スラスラと読んでもらうかが大切です。そのため、適切な言葉と語順を選び、読みやすいリズムで文章を組み立てていく作業は、自分の培ってきた「書く」スキルを十分に生かせるものでした。また、私がこれまでに任せていただいた書籍はいずれも、誤訳が致命的なミスとなりやすい専門用語の多いものでしたが、自分の専門に合った仕事をいただけたおかげで、なんとかクリアできました。これからも、「読みやすさ」と「正確さ」という翻訳の両輪を磨き上げていきながら、新しい本との出会いを楽しみに仕事を続けていこうと思います。
出版までの長い道のりを共に歩いていただいたコーディネーターさんには、この場を借りてお礼申し上げます。
私個人のサイトです:www.akaribiology.com

小谷力(第160回英語Job Shop作品入賞者)

第160回 Job Shop 作品入賞

訳書名 『ポスドクの流儀 悩みを解きほぐして今日から行動するためのチェックリスト』
訳書出版社 株式会社羊土社


翻訳ストーリー

〈きっかけ〉 ほぼ10年にわたり英日翻訳を勉強してきたが、今更ながらに日本語表現力の大切さを痛感している。そのためには日本語でも英語でも「優れた書物」の熟読が必須だが、大学院時代(シカゴ大学)は専門分野(国際政治)以外の書籍を読む余裕はほとんどなく、たまに山本周五郎の小説などで「日本」を懐かしむ程度の貧弱な読書生活だった。 帰国後は国際ビジネスコンサルティングの仕事に従事しながら、ノンフィクション、フィクション共に原書も翻訳書も楽しく読めるようになり、次第に翻訳という「仕事」にも興味を持ち始め、体系的に英日翻訳の勉強をしたいと考えトランネットの会員になった。

〈翻訳作業の感想、悩み〉 トランネットのオーディションでは関心のある課題に手当たり次第に応募し、徐々に「BO」や「B+」の評価をコンスタントにいただき、さらにJob Shopにも挑戦するようになれたのは、翻訳「作業」の楽しさに目覚めたからだろう。ことに「解読困難な表現」や「日本語になりにくい」文章構成と格闘し、何日もの調査、推敲を重ねた挙句、「ドンピシャ」な日本語表現に辿りつけたときの快感は、翻訳ならではのものと言えよう。翻訳雑誌主催の翻訳コンテストなどで最優秀賞を含めいくつか受賞を重ね、リーディングやチェッカーの依頼を受けるようになり、下訳の仕事から始め、最近では半年に三冊の翻訳書が出版されるまでになった。

〈今後の抱負〉 独りよがりの翻訳文にならないように、自分の好きな翻訳者の作品を熟読して日本語表現を学ぶ(模倣する)ことも大切で、日本語の感覚に優れ、語彙の豊かな「添削者」の支援、協力があれば理想的だろう。当然ながら日本語文章力の勉強は必須で、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、丸谷才一、井上ひさしなどなど、優れた日本語の使い手による『文章読本』は翻訳を学ぶ誰もが備えておくべき書物だ。今後は欧米の新人作家による優れた文芸作品を翻訳する機会を得られるよう精進を続けるつもりだ。

ヤナガワ智予

訳書名 『FUTURO RETRO マーリア・シュヴァルボヴァー写真集』
訳書出版社 株式会社青幻舎




翻訳ストーリー

 小学生の頃、図書室の床にペタンと座って本を読むのが好きでした。寄木張りの床の香りと背中の本棚の本の匂いが、なんとも心地良かったことを思い出します。4年生だったかな、ある日手に取ったのは『怪盗ルパン全集1巻/奇巌城』(ポプラ社)。そう、あのルパン三世のじっさま(わかります?)、怪盗アルセーヌ・ルパンが主人公の推理小説です。私は、すっかり夢中になり、誕生日やクリスマスにおねだりしたり自分のお年玉を使ったりして全30巻を揃えました。今でも、私にとっては特別な図書です。
 それから紆余曲折、大人になった私は同時通訳者を目指しますが、自分に向いていないと思い始めていました。そんな折に出会った1冊の本。日本語で書かれているのに、ストーリーがどうにも頭に入ってきません。何とか読み終えたものの、私の眉間には最後までシワが寄ったままでした。後にそれが、映画化もされたホラーコメディ小説の邦訳本だったことに気付き、原書を読んでみてびっくり。すごく面白かったのです。翻訳の良し悪しが、その本の運命を決めてしまうことを知りました。小学生の私が怪盗ルパン全集にハマったのは、翻訳が上手だったから……。目から鱗の瞬間でした。
 ほどなくして、トランネットのオーディションを受け始めました。もちろん落ちてばかり。でもリーディングのお仕事で随分鍛えられ、数年前にようやく訳本を出す夢が叶いました。出版翻訳はジグソーパズルのよう。状況把握や事実確認のリサーチをしまくって、やっと見つけたピースがピタリとハマったときの達成感ったら……! 訳者にしっかり寄り添い支えてくださる担当コーディネーターの方々にはいつも助けられ、また学ばせていただいております。原作者が最初から日本語で書いたかのような翻訳を、がモットーです。いつの日か、私の訳書をきっかけに誰かが読書を好きになる、なんてことがあればいいな。小学生の私と『怪盗ルパン』のように……。

十倉実佳子(第156回イタリア語Job Shop作品入賞者)

第156回 Job Shop 作品入賞

訳書名 『最高においしいワインの飲み方』
訳書出版社 株式会社エクスナレッジ

 


翻訳ストーリー

 イタリア語を学ぼうと決めたのは高校生の頃。映画や本の影響が大きかったと思います。その頃の自分は、翻訳家になるのが「運命」だと信じていました。高校の卒業文集にはお気楽に「イタリアに留学後、〇〇先生のような翻訳家になる」と綴っているくらいですから。今から思えば、よくこれほど大それた夢を恥ずかしげもなく宣言できたものだと思います。しかし、留学で自分の実力不足を思い知り、あっけなく自信喪失。大学卒業後しばらくはイタリア語から遠ざかっていました。
 あるとき戯れに応募した英語の翻訳コンテストで賞をいただくことがあり、これを機に通信教育で翻訳の勉強を始めました。講座が終わった後も独学で勉強を続け、イタリア語の勉強も再開。そしてコンテストやオーディションに挑戦するようになるのですが、最終選考まで残ることはあっても、「最後の1人」にはずっとなれませんでした。そんな折、Job Shopで珍しくイタリア語の翻訳者が募集されていたので、力試しのつもりで応募してみたところ、運よく採用されたのです。それが本書“Il Piacere del Vino”でした。ワインの知識に自信のなかった私は図書館からワインの本を山のように借りて調べ、それでも解消できない疑問点はワイン関係の仕事をしている友人やソムリエをしている知人に尋ねました。原文で不明瞭な部分はイタリア人の友人に相談し、また、トランネットのコーディネーターさんとチェッカーさんにもずいぶん助けていただきました。こうして初めての翻訳書を出させていただくに至ったのですが、これもひとえに皆さま方にお力添えいただいたおかげです。本当にありがとうございました。
 このお仕事をきっかけに、少しずつ翻訳のお仕事をいただけるようになっていますが、翻訳者としてはまだまだスタートラインに立ったばかり。たゆまずに努力を続け、丁寧な仕事を心がけたいと思っています。

片神貴子

訳書名 『THE WORLD AT NIGHT 世界の美しい夜空』
訳書出版社 株式会社玄光社


翻訳ストーリー

 翻訳の仕事に興味をもったのは、20年ほど前、電機メーカーを退社して、一生続けられる仕事を探しているときでした。そんな折にトランネットが設立されたことを知り、さっそく入会。オーディションに応募したところ、訳者には選出されませんでしたが、後日、美術書の翻訳原稿を校正する仕事を依頼されました。これが出版翻訳での初仕事です。
 大学で物理学を専攻していたこともあり、当初から科学児童書を訳したいと思っていたのですが、この分野は翻訳点数そのものが多くありません。どうすれば仕事を得られるものかと思案していたところに、チャンスが巡ってきました。オーディションに太陽系をテーマにした児童書の課題が出題され、幸いにも翻訳者に選ばれたのです。この1冊が名刺代わりになって、その後もこの分野の仕事がもらえるようになりました。細々ながらも途切れずに仕事を続けてこられたのは、科学児童書というニッチな分野を専門にしたからだと自覚しています。
 現在は子ども向け・一般向けの科学書翻訳に加え、サイエンス誌とナショナル ジオグラフィック誌の翻訳も行っています。子育てもようやく一段落したので、理系のバックグラウンドを活かしつつも、今後は大好きな建築や美術に関する課題にも応募していきたいと思っています。幅広い分野の翻訳に挑戦できるのが、トランネットの大きな魅力です。
 最後に今回の訳書について。この夜空の写真集は単に美しいだけでなく、写真に添えられたキャプションも読み応えがあります。ただ、著者は英語ネイティブではなく、専業の物書きでもないので、文章に少々癖があり、訳すのに苦労しました。加えて、事実確認が必要な箇所も多く、別件の翻訳も同時進行していたため、当時はかなりひっ迫した状態でした。なんとか期日内に仕上げられたのは、美しい写真が発する癒しパワーと、担当コーディネーターの方による的確なチェックのおかげです。ありがとうございました。

市ノ瀬美麗

訳書名 『ビューティフル・ボーイ』
訳書出版社 株式会社オークラ出版


訳書名 『第三の扉』
訳書出版社 株式会社オークラ出版


訳書名 『二度目のチャンスをあなたと』
訳書出版社 株式会社オークラ出版


翻訳ストーリー

 初めて翻訳という仕事を意識したのは、大学生の頃でした。本と英語が好きという単純な理由で文学部の英文科に入ったのですが、課題でイギリスやアメリカの文学作品を読むことがあり、訳書と照らし合わせて予習をしているときに、気がつくと「私だったらこんなふうに訳すだろうな」と自分なりの訳文を考えていました。そこから、翻訳という仕事っておもしろそうだな、楽しそうだな、と思ったのを覚えています。
 それから数年後、運とご縁に恵まれ、トランネット様を通じて初めて翻訳のお仕事をいただき、翻訳者としてデビューさせてもらうことになりました。それもロマンス小説のシリーズを3冊! その後もありがたいことに継続してお声をかけていただき、ロマンスだけではなく、いつか訳してみたいと思っていたミステリーや映画原作本など、10年ほどの間に様々なジャンルの作品に携わってきました。もともと「好きなことを仕事にしたい」という思いがあり、毎日大好きな本(小説)に関わることができて、本当に幸せでした。(幸せといえば、4年ほど前から猫を飼い始めたのですが、寒い時期に膝の上に乗ってくる猫をなでながら翻訳作業をするのも至福の時間です。)
 最近では、映画や海外ドラマも大好きなので、数年前から映像翻訳の勉強を始め、ようやく少しずつですが字幕翻訳のお仕事をいただけるようになってきました。出版翻訳も映像翻訳もできる翻訳者として活躍するのが夢ですが……もともと不器用というか、要領が悪いもので、プロとして両立できるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。それでも「好き」の気持ちを原動力に、今後も日々精進していきたいと思います。

多田桃子

訳書名 『三連の殺意』
訳書出版社 株式会社オークラ出版


訳書名 『神話の遺伝子』
訳書出版社 株式会社オークラ出版


訳書名 『ロマンス作家の恋のお悩み』
訳書出版社 株式会社オークラ出版


翻訳ストーリー

 今月、落ちていたどんぐりを苔の上に置いて、発芽を待つことにしました。十年ほど前からミニ盆栽(林檎・花梨・柿・柘榴など実のなる木ばかり)をベランダで育てているのですが、とりあえず十年間一鉢も枯れずに自然と苔を生やし、小さいながらも気まぐれに実をつけてくれているので、そろそろ長年夢見ていたどんぐり盆栽に挑戦してもいいのではないかと思い立ったのです。どんぐりを発芽させてひたすら水をやっていたら、たぶん十年か二十年後には小さな木になって、さらにはまたどんぐりが結実した姿を見られれば幸運です。

 子どものころ、どんぐりが好きでした。よく遊びにいっていた動物園のはじにある林でどんぐりを拾い集め、ティッシュで磨いて、背の高さや色の濃さ順に並べては眺めて過ごしていたように思います。そうしたマイペースな時間の過ごしかたに慣れていたからか、幼稚園に入ったばかりのころ、無口でした。みんなが話す言葉に反応しようとはしていたはずですが、言葉はすごい速さで流れていってしまい、置いていかれるような感覚になっていたのかもしれません。そんななか、当時一週間か二週間ごとに一冊ずつ手元に届いていたシートン動物記と世界の童話の絵本シリーズを読んでいるときが、いちばん心の落ち着く時間でした.本のなかの言葉や挿絵はずっとそこにあって、いくらでも読み返しては細密な絵のすみずみまで探険できる、まるで時間の流れの速さが違う自由な森へ、別世界へ入っていけるような安心感がありました。

 どこにいても本を読むのは自由だと思って、大学生のときには動物生産学を学びながら、海外の好きな作家の小説を原書で読んでいました。まだ日本語に訳されていなかった作品やシリーズの続きを読めるようになって、うれしかった。原書で読んでいた本の日本語版が出ると、そのこともうれしかった。そんなようなささやかな喜びがきっかけで、翻訳を学び始めました。

新規会員登録はこちら