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原題 Little Girl Blue: The Life of Karen Carpenter
著者 Randy L. Schmidt, Dionne Warwick
ページ数 368ページ
分野 伝記
出版社 Chicago Review Press
出版日 2010/5/17
ISBN 978-1556529764
本文 70年代を代表するアメリカの人気兄妹デュオ〈カーペンターズ〉のリードボーカル、カレン・カーペンター。短い歌手生活にも関わらず、リリースしたアルバムは10枚、1年の3分の2はツアーに廻るという多忙な日々を送り、「イエスタデイ・ワンス・モア」や「スーパースター」など数々のヒット曲を世に送り出した。そんな歌姫の死は、あまりに早く、突然であった。

摂食障害¬¬¬---カレンの命を奪った病の恐ろしい正体を、彼女は死をもって我々に教えてくれた。本書では、華々しい成功の裏で病に蝕まれていく彼女に焦点を当て、母親、兄、夫との人間関係、ドラム演奏へのこだわりやソロ活動への不安、痩せたいという願望に悩まされ続けた複雑な心の葛藤が綴られる。

もちろん、彼女の病の原因を追究した書籍は本書が初めてではなく、これまでに多くの作家やジャーナリストがその悲劇の謎を解き明かそうとした。しかしこれまで、関係者サイドの取材制限などにより、明確な原因については不明なままであった。本書とこれらの書籍との決定的違いは、96年の母アグネスの他界により、関係者への制限が緩和され、これまで取材されてこなかったカレンの身近な人物からの証言を得て、当時彼女が抱えていた心の病の真相が初めて明らかにされたことだ。

現代の私たちには身近となった心の病。本書は、美しい歌声に隠されたカレンの葛藤の真実を浮かび上がらせる。