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原題 Muße: Vom Glück des Nichtstuns
著者 Ulrich Schnabel
分野 自然科学/自己啓発
出版社 Pantheon Verlag
出版日 2012/3/26
ISBN 978-3570551752
本文 無為に過ごせる時間が消滅しつつある。迅速かつ効率的にやり取りできる新しいコミュニケーションツールの普及によって、仕事と私的な時間の境は失われた。多くの人にとって、ゆったりと時を過ごすのは、今や不可能に近い。世の中の速度は増すばかりだ。

しかし、脳科学者や心理学者は、ずいぶん前から無為に過ごす時間の大切さを指摘している。無為な時間は精神のリフレッシュや記憶力の強化につながるだけでなく、アイディアと創造力の源でもあるからだ。

著者は本書で、睡眠や瞑想、ぼんやりと窓の外を眺めるといった一見無意味な行為の価値を裏付ける研究結果を示しながら、なぜ時間が足りなくなるのか、なぜ無為に過ごす時間を持つのが難しく思えるのかを説明してくれる。また、無為な時間を持つために、仕事の仕方を変える、何かの誘いを受けたら、自分が本当にそれをしたいかどうかを考え、そうではないものは断る習慣を身につけるなど、日々の慌ただしさから解放されるための実用的なヒントも多数紹介される。