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原題 한밤중 달빛 식당(真夜中月光食堂)
著者 イ・ブンヒ(著)、ユン・テギュ(絵)
分野 絵本
出版社 비룡소(ビリョンソ)
出版日 2018/3/15
ISBN 978-8949161969
本文 一人ぼっちのヨヌはある夜、偶然《真夜中月光食堂》を発見し、そこでまつげキツネとしわがれ声キツネに出会う。

「悪い記憶1つをくれたらイチゴケーキをあげる」という言葉に、ヨヌはその日、学校であったことを思い出す。クラスメイトが落としたお金を拾ったのに返さず、それで上履きと文房具を買ったのだ。お金を盗んだ悪い記憶はおいしいケーキになる。ヨヌは次の日、また真夜中月光食堂を訪ね、あふれるほどある悪い記憶のうちの2つをあげる。

ある日、ヨヌは真夜中月光食堂で会ったことのある酔っ払いのおじさんが、すべての記憶を失ったまま、酒に酔ってパトカーに乗せられていく悲しい姿を偶然目撃する。そして、自分が取り除いた記憶が何だったのか気になりだす。その後、ヨヌがクラスメイトのお金を盗んだことが発覚するが、ヨヌは盗んだ記憶も、そのお金で上履きと文房具を買った記憶もなく混乱するばかり。学校から飛び出し、夜になって夜中月光食堂を訪ねたヨヌは、「なぜ悪い記憶をなくしたのに幸せになるのではなく、より悲しくなるの」と尋ねる。

作者は、悪い記憶には、忘れるべきことだけではなく、直面し自ら克服しなければならないことも含まれているというメッセージを伝える。悪い記憶の中に隠され、一緒に消えた「好きだよ!」と「覚えていてね!」という言葉が再びヨヌに戻ってくる過程は、深く心に響く。