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原題 Tips on Having a Gay (ex) Boyfriend
著者 Carrie Jones
ページ数 288ページ
分野 フィクション/YA
出版社 Flux
出版日 2007/5/8
ISBN 978-0738713410
本文 イーストブルック高校のベルとディランはお似合いのカップルで、周囲は将来2人が結婚するだろうと思っていた。ベル自身、ディランは運命の人だと信じていた。彼がゲイだと告白するまでは。その瞬間、ベルの世界は一転。今まで確かだと思えたものが急に信じられなくなり、悲しみ、困惑する。誰もが誰もを知っているメイン州の小さな町では、隠し事はできない。衝撃の告白は学校中、町中を騒ぎに巻き込む。

著者はゲイの少年が告白し、周囲の偏見と闘っていくというありきたりの物語展開にはせず、彼にゲイだと打ち明けられた彼女の立場から話を進める。ベルは、ゲイだと公言したディランがつらい思いをするだろうと心配していたが、まさか自分にも災難が降りかかってくるとは予想していなかった。ところが、ベルに対しても陰口、あてこすり、さらには同級生からの乱暴が待っていた。また一方では新たな恋の始まりが……。

この話は著者の体験を基にしている。高校生のとき真剣に付き合っていた彼氏からゲイだと打ち明けられたそうだ。それだけにリアリティのある作品となっており、読者は自分と重ね合わせて読むことができるだろう。テーマは重いが登場人物は悪役も含めそれぞれチャーミングで、全編に若い活気がみなぎっている。美しく描写されるメイン州の町の様子が、物語にさらに鮮やかな色を添える。バックグラウンドにはベルの奏でるギターや歌が流れ、「ディランは松の木とクリスマスのにおいがした」「ボブは防虫剤と金属の混じったにおいがする」というくだりでは嗅覚も刺激される。本書は著者のデビュー作であるが、その才能は高く評価され、メイン州文学賞(ヤングアダルト部門)とIndependent Publishers Book Awards金賞(児童・ヤングアダルト部門)を受賞した。