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原題 Berichte von der Jenseitsschwelle: Authentische Fälle von Nahtodeserfahrungen
著者 Johannes Michels
分野 スピリチュアル
出版社 Goldmann Verlag(ドイツ)
出版日 2008/9
ISBN 978-3442218325
本文 死ぬ瞬間には何があるのか?
死んだ後はどうなるのか?

誰もが知りたいが答えを得られない疑問に、「臨死体験」をとおして迫る。21もの事例を集め、そこに共通する要素を紹介し、「死」と呼ばれるものの別の意味を明らかにする。

きれいな花畑にある巨大な木の扉を見て、その向こうに行きたいと思うのを亡き父に止められた女性。自分が手術されているところを見た外科医。死に瀕して死後の世界を垣間見た人の体験談を中心に、人物の簡単なプロフィール、瀕死になった経緯、その後の様子、また信憑性についての考察を加えていく。体験談部分は一人称で語られるため臨場感にあふれ、著者の冷静な筆致と好対照になっている

著者は博士号を持つ教育学教授で、以前はこうした神秘的ともいえる体験を信じていなかったが、身近な人が2人も臨死体験をしたことで研究を始めた。そしてそこに、死後の世界の穏やかなイメージ、亡き人との邂逅、神に相当する高位存在の登場、未来の予告などといった共通点を発見する。

著者は、死は一般的に恐れられるような「無」ではないという。体験者たちは死後の世界を訪れ、肉体がなくなっても続くものを目にし、蘇生後にはよい形での変化を見せる。死はすべての終わりではない。たくさんの事例に触れ、死のイメージを変えてほしい。