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原題 Mixing Minds: The Power of Relationship in Psychoanalysis and Buddhism
著者 Pilar Jennings
分野 仏教/心理学
出版社 Wisdom Publications
出版日 2010/12/1
ISBN 978-0861716166
本文 近年、欧米の都会人のあいだで、心理カウンセリングではなく仏教に心の救済を求める動きが広まっている。仏教の教えや瞑想を通じて自己理解を深めることができ、心理カウンセリングと同じ効果が得られるというのだ。

実際は、仏教と心理カウンセリングに用いられる精神分析学とでは目指すところが異なり、同じものとは考えにくいが、ひとつだけ大きな共通点がある。それは、どちらも「人と人との絆(relationship)」があってこそ心の救済を達成できると考えることだ。この宗教と学問はどういった部分で重なり合うのか、もしくはズレるのか。仏教と精神分析学の双方に詳しいジェニングズ博士がその答えに迫る。

博士は、人々が仏教や心理カウンセリングに助けを求める理由は、つまるところ人間関係(人との絆)で心が満たされていないからだと主張し、仏教ならば師と弟子の関係、精神分析ならばカウンセラーと患者の関係という「絆」を通じて人々の心が救われるまでの過程を、博士自身の経験も交えながら説明する。博士は、仏教と精神分析学それぞれが目指すものを理解することで、双方をうまく活用し、足りないものは互いに補い、より完全な自己理解を達成することを目指す。