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原題 The Winner Effect: The Science of Success and How to Use It
著者 Ian Robertson
分野 神経心理学/神経科学
出版社 Bloomsbury Paperbacks
出版日 2013/3/14
ISBN 978-1408831656
本文 勝者が兼ね備える特質とは何だろう。育った環境か、それとも遺伝なのか。見渡してみると、貧しい家庭や破たんした家庭から大企業のトップまで登りつめる人もいれば、会社をつぶしてしまう2代目もいるではないか。いったい何が成功と失敗の決め手となるのだろう。

「勝者効果」とは、生物学の用語で、争いに何度か勝った動物は、その後さらに強い相手と戦ったときにも勝つ可能性が高くなることを表す。人間とて例外ではない。成功すると脳に変化が生じ、集中力、知性、自信が増し、好戦的になる。そして、勝てば勝つほど、勝ち続けることになるのだ。

だが、良いことずくめというわけでもない。勝利には中毒性がある。これが成功すると人が変わり、金や権力の欲に溺れ、身の破滅を招く人がいるゆえんである。勝利や成功によって脳はどのように変わっていくのだろうか。なぜおごり高ぶる人とそうでない人がいるのだろうか。

政治やビジネスの世界から、夫婦関係、いじめといった身近なものまで、研究結果に基づき、例を挙げながら、勝者になる秘訣と勝者の受難をひもといていく。