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原題 Bobby and Jackie: A Love Story
著者 C. David Heymann
ページ数 240ページ
分野 伝記
出版社 Atria
出版日 2009/7/14
ISBN 978-1416556244
本文 ベストセラー作家のヘイマンが、独自の視点からJFK暗殺後のジャッキーとRFK(ボビー)の関係を描く。ジャッキーとJFKの人生は完璧とは程遠かった。1953年のアカプルコへの新婚旅行中にJFKは浮気に興じ、新妻のジャッキーはホテルの部屋のベランダで1人過ごしていたという。とはいえJFKの暗殺で、ジャッキーは心底打ちのめされた。そして亡き夫の弟、ボビーのことを心底愛した。常に注目を浴び、平穏な日々を送ることができないジャッキーに、ボビーは子供たちの父親代わりの役目を垂オ出た。ほどなく2人の情事が始まる。それは、おそらくRFKとジャッキーそれぞれにとって、これまででもっとも正常な人間関係だった。公には秘密にしていたが、2人は交際中に多くの友人と交流した。もしボビーの暗殺がなかったら、2人の関係がどのような結末を迎えたかは誰にもわからない。しかしボビーは暗殺され、そのわずか4カ月後、ジャッキーは大富豪アリストテレス・オナシスと再婚する。

ジャッキーとボビーに肉体関係があったという内容は相当に衝撃的で、発売当時、米メディアで大きな話題となった問題作。ヘイマンの著書には賛否両論が渦巻くものの、人々が関心を持って読まずにはいられないテーマを助ェ心得ている感がある。JFK暗殺という大きな悲劇の後のケネディ家の物語は、著者の諸ェ番ともいうべきテーマであり、その情報量には驚かされる。