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原題 Europa nach dem Großen Krieg: Die Krise der Demokratie in der Zwischenkriegszeit 1918-1938
著者 Boris Barth
分野 歴史
出版社 Campus Verlag
出版日 2016/2/18
ISBN 978-3593505213
本文 第1次世界大戦後、戦勝国は世界平和を構築し、戦後の秩序を保とうとした。ところが、各国で徐々に右翼急進派が勢力を伸ばし、準軍事力をも構成しながら、既存の民主主義政治に敵対していく。イタリアではファシズムが支配力を持ち、ドイツではヴァイマール共和国が崩壊した後ナチズムが覇権を握った。経済面においても1920年代後半には不安定になり、29年の恐慌は即座に世界中に広まった。

つまり、大戦後の世界平和構築計画は楽観主義的なものにすぎず、ヨーロッパ全体に根付いたように見えた民主主義は、不安定ではかないものだったのだ。

第1次世界大戦後のヨーロッパ民主主義の衰退の原因は何だったのか。なぜ暴力的な独裁的社会構成ができあがってしまったのか。本書は1918年から1938年までの両大戦間の時期に特化し、社会勢力の変遷、科学技術の進歩、経済状況の不安定さなど、さまざまな面を織り交ぜながら、第2次世界大戦に至った経緯を説明する。

「なぜ第2次世界大戦は起こってしまったのか」本書がその疑問に答える。