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原題 The Machine in the Ghost: Digitality and its Consequences
著者 Robin Boast
分野 社会/コンピューター
出版社 Reaktion Books
出版日 2017/2/1
ISBN 978-1780237398
本文 デジタル時代にあって、私たちは皆デジタル機器を常に持ち歩き、デジタル媒体に接触し続けている。だが、この「デジタル」というものを深く理解している人がどれだけいるだろうか。デジタル社会ではあらゆる情報は0と1にコード化されるが、このコード化された情報は、コンピューターやタブレットの奥深くに眠る手の届かないバーチャルなものととらえられ、その実体についての一般人の理解はあいまいだ。

本書では、過去150年間にわたるデジタル化の歴史を、時代の流れと共にふりかえる。19世紀後半に発明されたフランスのテレグラフ、最初のコンピューター、1950年代の情報システム、パンチカードやプログラミング言語によるコンピューターとのやり取り、1970年代のデジタル媒体の登場……といった具合だ。読者はこうして過去をなぞることで、これまで確かな実体としてとらえていなかった「デジタル」(いわば「Ghost」)の本質を、現実性のある具体的なものとして理解することができる。

デジタル化は社会の流れの必然のように思われているが、決してそうではない。その時々の社会的、政治的、経済的な状況や目的が重なり合い、デジタル化の基礎が形成され、少しずつ発展してきたのだ。だからこそ、デジタルを理解するうえで歴史を振り返ることいは意義がある。

本書は技術者向けの専門書ではなく、「デジタルとは何か」「その起源は何か」といった基本的な疑問に、著者がわかりやすく答えてくれる。