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原題 Pussy Cat, Pussy Cat, Where Have You Been? I've Been to London to Visit the Queen
著者 Russell Punter
分野 絵本(対象年齢2歳~)
出版社 Usborne Publishing
出版日 2015/9/1
ISBN 978-1409596226
本文 1805年に『Song for the Nursery』に初登場したこの詩をもとにして、ねこくんが女王を見に現代のロンドンへ行ったときの話をふくろうに語る。

ボートに乗ってテムズ川を進み、タワーブリッジの下をくぐり抜け、ロンドン塔を訪れる。そこできらきらと輝くクラウン・ジュエルを見学してから、ザ・シャードの展望台に上り、グローブ座でシェイクスピアを観劇。セントポール大聖堂に行き、2階建てバスに乗り、ネルソン提督の像が見下ろすトラファルガー広場を歩き、ロンドン・アイにも乗ってみた。それから、国会議事堂へ自転車で向かい、ビッグ・ベンの鐘の音を聞く。ウェストミンスター寺院では国王や女王の戴冠式に思いをはせ、コンサートを聞きにロイヤル・アルバート・ホールへも行った。

ねこくんは一番のお楽しみを最後にとっておいた。バッキンガム宮殿で衛兵交代式を最後まで見てから、いよいよ宮殿の中へ。残念なことに女王はお留守だった。「それでもロンドンは楽しいよ。とっても素敵な1日だった」

「ねこくん ねこくん どこいった」というリズミカルな言葉から始まる本書ではロンドンを代表する名所が紹介されている。絵を見ているとファンタジーの世界のようだが、不思議なことに建物や広場のイラストは実物に忠実だ。短い文章の中でどんな場所で、何があるか、さらには歴史にまで触れられているのにも驚く。

対象年齢は2歳からだが、年齢を問わず簡潔にロンドンのエッセンスを知りたいと思う人にぴったりの絵本。