ブックレビュー ブックレビュー

原題 The Secret Life of Your Microbiome: Why Nature and Biodiversity are Essential to Health and Happiness
著者 Susan L. Prescott, Alan C. Logan
分野 医学/健康
出版社 New Society Publishers
出版日 2017/8/29
ISBN 978-0865718517
本文 長い間、人体はカプセルのように密閉されたものとみなされていた。カプセルの外にある「悪い菌」は殺さなければならず、そのために抗生物質、殺虫剤、加工食品、抗菌石鹸が重宝された。自然から分離すればするほど清潔で良いと考えられたのだ。本書では、このような根深い幻想を終わりにし、多方面の科学に基づくまったく新しいパラダイムを紹介する。

私たちはマイクロバイオーム(皮膚や腸内など、人体に生息する豊かな微生物の生態系)を通じて、自然の生物多様性と深く結び付いている。このつながりは、健康と幸福にとって欠かすことのできないものだ。例えば、砂糖たっぷりの食べ物が腸内細菌を殺して鬱状態を悪化させるなど、生物多様性が人体に与える影響はあらゆるところに及ぶ。また、「動く脳」である免疫系も重要だ。

生物多様性が人間の健康と幸せにとってどれほど重要であるかを、世界的に有名な科学者が軽妙な筆致でわかりやすく説明する。



     ■■□―――――――――――――――――――□■■

「笑い」が人生で果たす役割とは?
ユーモアやギャグの効能を明らかにする、「笑い」に満ちた一冊

原  題:The Importance of Being Funny: Why We Need More Jokes in Our Lives
著  者:Al Gini
本  文:168ページ
分  野:自己啓発/心理学
出版社:Rowman & Littlefield
出版日:2017年7月25日
I S B N:978-1442281769

著者にとってのユーモアやジョークは、ただの「面白い言葉」ではない。それらは、私たちが現実世界で理解できないことと向き合うときに、勇気を与え、守ってくれるものなのだ。

大学で必修の哲学の授業を教える著者は、ジョークやユーモア満載の授業を行うことによって、学生に哲学的思考を教えるのに成功した。本書では、リンカーン大統領などの例を挙げ、ユーモアが歴史にどのように貢献してきたかを振り返り、ジョークの倫理的な側面(なぜ下品なギャグでも面白く感じるのか、人を傷つけるジョークは許されるのか、など)を掘り下げ、ジョークやユーモアが現実と向き合う盾にも剣にもなることを明らかにする。

実際に、面白い小噺満載の本書を読めば、楽しく「笑い」の持つ力について考えられるはずだ。本書を読み終わる頃には、自分の人生にジョークやユーモアを持ちこまずにはいられなくなるだろう。人間関係や人生に悩む人が読めば、きっと、人生を笑いとばして生きていく力が生まれる。