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原題 Great Economic Thinkers - An Introduction - from Adam Smith to Amartya Sen
著者 Jonathan Conlin(編)
分野 経済学、思想史
出版社 Reaktion Books
出版日 2018/10/15
ISBN 978- 1789140057
本文 本書は、今日、最も影響力のある経済思想家たちの経歴と学説を分かりやすく解説した経済思想の入門書である。アダム・スミスからジョセフ・スティグリッツまで、世界に大きな影響を与え、各国の経済政策や社会政策の基盤となる思想を築いた13人の偉大な思想家を12人の気鋭の学者が紹介する。

経済学や政治哲学は想像以上の影響力をもっている。経済政策や金融政策だけでなく、さまざまな社会政策を含めた政治や社会の仕組みや制度は、偉大な思想家たちの学説や理論に大きく影響されている。

本書では、18世紀から20世紀の思想家13人を取り上げた。18世紀のイギリスの経済学者アダム・スミスから始まり、19世紀では、自由貿易を擁護したデヴィッド・リカード、自由論のジョン・スチュアート・ミル、資本論のカール・マルクス、そして新古典派のアルフレッド・マーシャルの4人の思想家を紹介する。20世紀では、経済におけるイノベーションの重要性を説いたヨーゼフ・シュンペーター、ケインズ経済学を確立したジョン・ケインズ、ノーベル経済学賞を受賞したフリードリヒ・ハイエク、ミルトン・フリードマン、ジョン・ナッシュ、アマルティア・センとジョセフ・スティグリッツの5人に加え、行動経済学のダニエル・カーンマンを紹介する。

経済思想史と経済分析のアプローチを織り交ぜ、各思想家の経歴や作品、また経済思想に与えた影響などを、専門用語や数式を使わずに、平易な言葉で分かりやすく解説している。「神の手」やケインズ経済学、行動経済学などを理解するための最適な書である。