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原題 Burning Up: A Global History of Fossil Fuel Consumption
著者 Simon Pirani
分野 社会問題/環境
出版社 Pluto Press
出版日 2018/8/20
ISBN 978-0745335612
本文 産業革命以来、化石燃料である石炭、天然ガス、石油は資本主義の完全なコントロール下にあった。過去50年間の間にその埋蔵量の半分以上をすでに消費してしまった。特に過去30年の間、化石燃料は今までに類を見ないほど急速な勢いで消費されており、科学者は、これにより温暖化が圧倒的な勢いで進んでいることを確認している。

本書では、20世紀後半以降の化石燃料の消費量上昇の歴史を振り返りながら、西洋の消費主義がもたらした化石燃料の大量消費は、大規模な人口増加が原因であると説く。また、化石燃料がテクノロジー社会、社会的システム、経済重視社会の中でいかに大量に消費されてきたかを説明する。化石燃料大量消費を促すこれらの社会システムを変えない限り、温暖化問題、エネルギー枯渇問題は、解決することができず、近い将来危機的状況を迎えることになるであろう。そのために我々は今何をどうすべきなのか?といった問いを投げかける一冊である。