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原題 ENGINEERING Scribble Book
著者 Eddie Reynolds, Darran Stobbart
分野 児童書(ノンフィクション/機械工学/電子工学)
出版社 Usborne
出版日 2018/10/4
ISBN 978-1474950763
本文 いつも使っている身近な機械は、どのように動いているんだろう? そんな疑問をわかりやすい図解で説明してくれる本になっている。ほとんどが図と絵で構成されているので、機械やマシンにそれほど深い興味を抱いていなくても、楽しんで学ぶことができる。そういった意味では、興味の幅を広げてくれる一冊だと言える。

機械の仕組みを解説するだけではなく、ほぼ全部のカテゴリーで読者に考えさせるようにできている。「こんなトラブルが起きてしまった。さあ、どうする?」と解決策をたずねてくる場面もある。ただ書かれていることを読むのとは違い、自分で考え、実際に細かくやり方を書き込んでいく。そうすることで、目の前の問題を自らの力で解決する力や、考える力が自然と身についていくことだろう。

機械というと、どうしても男児がメインターゲットになりやすいが、カラフルな色使いとコミカルなイラストと、質問を問いかけてくる本書のスタイルにより、女児も手を伸ばしやすい一冊になっていると言える。数ページごとにトピックが変わるので、飽きることなく読み進められるのも特徴だ。

一人で凝りに凝ったアイディアを書き込むのもいいが、たくさんのことを友人や家族と話し合いながら解決策を探していくのもいいだろう。親子で一緒に取り組めば、大人の考えと、こどもの柔軟な発想の違いを共に楽しむことができ、お互いに多くを学ぶことができるはずだ。一般的なコンピュータのみに限らず、車いすや義手、義足などの作りにも触れており、車いすでは階段の上り下りが不可能なため、どうすればいいだろうか、などの疑問についても考えるきっかけを得ることができる。「考える力」を最大限に伸ばす一冊となっている。