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原題 Golf Science: Revealing the science of performance
著者 Mark E. Smith
分野 スポーツ
出版社 The Ivy Press
出版日 2019/2/7
ISBN 978-1782406440
本文 ゴルフはおそらくこれまで発明された競技の中でもっとも複雑なものだ。テレビで米国PGAツアーの衛星放送を見ていても、それぞれのプレーがどれだけ複雑な要素が絡まって成立しているか読み解くのはとても難しい。一つのショットだけをみても、生物力学、空気力学、弾道学、材質科学、確率、さらには気象学といったサイエンスが関与している。

本書はゴルフという競技に新しい手法で考察を行なう。1ホールだけ見ても、ボールがティーショットからはじまり最後にはホールインする。こういった、科学的に見たら驚嘆する他ない事実を詳細に精査するのだ。

一つひとつの章はゴルフにおける異なる側面に考察を加え、一連のQ&Aを中心に構成されている。ドライバーのシャフトの最適な長さは? バックスピンの仕組みは? 解答とデータが、理解の容易なインフォグラフィック(※注 情報、データ、知識を視覚的に表現したもの)を通して示される。

本書を読めば、プロ選手のテクニックや、コーチングにおける最新のイノベーションを学ぶことをつうじて、手にするギア(※注 クラブや練習器具)やテクニックをみずから分析することが可能だ。己のプレイのパフォーマンスの裏に潜むサイエンスを理解したいと望むゴルファーにとって必携の一冊だ。