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原題 Bee
著者 Claire Preston
分野 生物学/歴史
出版社 Reaktion Books
出版日 2019/6/5 (4th edition)
ISBN 978-1789140484
本文 ミツバチのもつ社会性や能力の高さには驚かされる。ミツバチは完全な家畜ではないが、古くから養蜂に利用され、人間の生活に大きな利益をもたらしている。生物学の分野で広く研究されているばかりでなく、伝説や歴史書にも数多く登場し、文学や芸術、建築やデザインのモチーフにもなっており、文学、民俗学、史学、文化人類学といった分野においても研究対象になる可能性を十分に持つ存在だ。

本書ではミツバチについて、生物としての性質や特徴、集団生活の営み、文化的に見える行動などを紹介するとともに、人間との歴史的なかかわり方や、人間社会にとっての有益性、人を引き付ける魅力などを、自然科学と社会科学にまたがるさまざまな視点でひもとく。近年ニュースになっている、ミツバチの失踪についても、環境問題などを交えて言及する。事実を説明するイラストや写真だけでなく、ミツバチをモチーフにした絵画やファンタジックな挿絵なども豊富に収録されており、好奇心を刺激する。

本書は「動物」をテーマにしたシリーズものの一冊であるが、科学的な事実から殺人ミツバチのホラー映画まで、ミツバチについて包括的に網羅したこの本の著者が、英文学者だというのが実に興味深い。それだけ、古今の文献にミツバチに関する記録や記述があまたあり、古来より人間とのかかわりが深いということだ。