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原題 50 Plants That You Can’t Kill
著者 Jamie Butterworth
分野 植物学/ガーデニング
出版社 Mitchell Beazley
出版日 2019/5/2
ISBN 978- 1784725891
本文 庭に花を植えたい。広い庭はないけれど、鉢植えを並べて楽しみたい。花を育ててみたいけれど、枯らしてしまいそう。そんな願いを叶えて、さらに小さな不安を解消してくれるのがこの一冊だ。その名のとおり、初心者でも育てやすい植物をカラー写真付きで50種類紹介されている。美しい花を咲かせる植物はもちろんのこと、果物や野菜なども紹介されているので年齢や性別を問わず受け入れられるだろう。

美しく飾られた植物の写真が掲載されているため、ガーデニング初心者でもセンス良く見せるヒントが多く見つかるだろう。おすすめの植物や育て方に限らず、鉢やポットに入れて「見せる」方法も紹介されている。切り花や活け方なども多くはないが取り上げられているので、育てたあとの楽しみ方にも幅が広がりそうだ。簡単そうに思える水やりや栄養のあげかたなど、植物ごとのコツについての説明もわかりやすい。

植物ごとに、していいことといけないことがリスト化されており、非常にわかりやすい構成となっている。たとえば「日当たりのいい場所に置いておくこと」や「冬に切り花をする」など一目でわかる項目が大きく色分けされている。なぜその植物がおすすめなのか、そしてどんな場所で育てるのが理想的なのか、と細かいところまで記されているので安心して取り組むことが出来る。それぞれ、花が咲いた次のステップとも言える中級トリックも、長く楽しめる一冊となるに違いない。

日本ではあまり見かけない植物が多く紹介されているのも魅力のひとつだろう。どんな気候で育つのかも書かれているので、植物選びに失敗する心配もない。外国の家のように広い庭が無くても植木鉢で育てられる植物も多いので、マンション暮らしの人でも気楽に楽しむことができる。年間を通じて楽しめる植物、低木植物、ツタの伸びる植物、球根植物、そして果物や野菜と、カテゴリーに分けて紹介されているため、好みに合わせて植物を選ぶのも簡単だ。全編にわたりカラー写真が図鑑のようにちりばめられており、今すぐにはガーデニングに着手できずとも、いつかはやってみたい、という人が読むだけでも楽しめる一冊と言えそうだ。