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原題 Loud and Proud
著者 Tea Uglow
分野 社会/歴史
出版社 White Lion Publishing
出版日 2019/11/5(予定)
ISBN 978-1781319222
本文 歴史上、大きな影響を与えたLGBTQにまつわるスピーチ集。表紙から目を引くレインボーカラーは、今やLGBTを象徴するものとして広く知られている。著者であるTea自身もトランスジェンダーとして生まれ、性適合手術を受けたことを明かしている。同性婚の認可や差別の撤廃など、その活動は日に日に効果をあげているが、まだ「マイノリティ」として厳しい偏見などに苦しんでいるLGBTの人々。そんな人へ送るメッセージを力強いデザインとともに掲載しているのが本書だ。

――誰しもが尊厳と人権を尊重されるべきなのです。彼らが誰であろうとも、彼らが誰を愛そうとも。(ヒラリー・クリントン)

――隣人や友人、同僚に背を向けないで。歴史から学び、同じ過ちを繰り返すことを避けるのが我々の使命なのだから。(ロレッタ・E・リンチ)

上記のような、胸を打つ格言が大きく印刷されている。その隣のページには、発言者や内容の詳細が記されている。そのほかにも同性愛者の権利を強く訴えた有名な活動のハーヴェイ・ミルクや、同性婚をしていることを公表している歌手のエルトン・ジョンなど、数多くの著名人が名を連ねている。心と体の性が異なることで悩んでいる人、同性愛に苦しんでいる人に手を差し伸ばしてくれる一冊になることは間違いない。そうでない人でも、身近にLGBTの人がいる人や、理解を深めたいと思っている人にも必読書となるだろう。

決して一人で悩んで苦しまないで欲しい。そんな声が実際に聞こえてきそうなほど、暖かい勇気をくれる本だ。悩んでいる人への贈り物にしてもいいかもしれない。まだオープンに受け入れられているとは言い難い今の日本で本書を出版するのは、ある意味で挑戦だと言えるのかもしれないが、その挑戦のおかげで救われる心がひとつでもあるのなら、意味があるのではないだろうか。