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原題 Clouds: Nature and Culture (Earth series)
著者 Richard Hamblyn
分野 自然科学/文化人類学/美術
出版社 Reaktion Books
出版日 2017/0/01
ISBN 978-1780237237
本文 「雲とは何なのか。物か、現象か、仕組みか、過程か。あいまいな雲にまつわるあらゆる妄想が、たくましい想像の世界を育んできた。雲をめぐる自然と文化を美しい挿画をちりばめながら紹介する本書では、神話やメタファーの中の雲を物理学の雲と同様にとりあげ、また、アートや音楽、さらには将来のクラウドについてまで、わかりやすく解説している」(タイムズ・ハイアー・エデュケーション)

「著書ハンブリンの雲に関する博識ぶりがいかんなく発揮された一冊。神話、歴史、科学、アート、写真、音楽など、あらゆる分野の雲を網羅して、カラー写真やアート作品含む豊富な挿絵とともに解説。巻末には雲の種類と分類、本文中で取り上げた科学やアートのタイムラインもついている。アース・シリーズの他の作品同様、美しく仕上げられた本作は、学生はじめ幅広い読者に推薦したい一冊だ。」(全米図書協会チョイス誌)

無限に移ろいゆく雲は、いつの時代も人間の想像力や科学的探究心をかきたててきた。物理的に雨を降らせたり、地球の温度を調節するサーモスタットの役割をしたりするばかりではない。様々なインスピレーションの源として、神話や文学、絵画、写真、音楽、彫刻などを含むアート分野でも多く取り上げられてきた。シェイクスピアに出てくるラクダの雲や、映画の源泉となった雲、霧の彫刻として表現される雲や、超音速機が作り出す雲もある。本書では、他の惑星の雲やコンピュータ上のクラウドまで含めて、あらゆる雲を総合的に幅広く解説。稀有な気象現象を捉えた写真や、雲を描き出した絵画作品など、挿絵も豊富で、雲に関する知識がなくても楽しめる。深く専門的に読み込むもよし、ページをパラパラとめぐるもよし、取り上げた各分野に精通している人にとっても、そうでない人にとっても、新しい発見があるはずだ。次に雲を見上げる時には、何か一味違ったものとして見えてくるだろう。