ブックレビュー ブックレビュー

原題 Die Mütter-Mafia
著者 Kerstin Gier
ページ数 320ページ
分野 フィクション
出版社 Bastei Lubbe
出版日 2005/4/30
ISBN 978-3404152964
本文 コンスタンツェ・ヴィシネフスキー、旧姓バウアー。2児の母。長女ネリーは14歳の携帯依存症で反抗期の真っ盛り。長男のユリウスは、まだ4歳。有能な判事である夫ローレンツの妻として、優雅な専業主婦生活を送ってきたコンスタンツェは、ある朝突然、夫から離婚を切り出される。今まで何の問題もなかったのに……。いったい、どうして……?

ショックから立ち直れないままに、コンスタンツェの生活は一変する。2人の子供を連れて、義母(故人)の家に移り住んだものの、そこは何とも悪趣味な家具でいっぱいの「吐き気がする」ような家だった。ましてや、地域の生活は、親切面をして実は傍若無人な、鼻持ちならない「母親会」のオバサンたちに牛耳られていたのだ。引越し早々、コンスタンツェの生活に土足で踏み込んでくる「母親会」のメンバーたち。途方に暮れるコンスタンツェに救いの手を差し伸べてくれたのは、ご近所の「変わり者」ミミとその仲間たちだった。

著者は、突然の離婚によって打ちのめされた主人公がミミたちの助けで徐々に立ち直り、「ママ友マフィア」の仲間たちと協力して自立するまでを軽妙な語り口で描いている。物語は、「母親会」のホームページへの書き込みを交えつつ、主人公の視点から綴られている。著者は、お金はあっても傲慢で、自己中心的な男たちや押し付けがましいオバサンたちの生態を、乾いたユーモアを込めて生き生きと表現している。

あまりにもリアルに描かれる「いやなドイツ人」が苦笑を誘い、どんどんと先を読み進めたくなる。アマゾン読者レビューの評価も高い作品。