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原題 The Polymath: A Cultural History from Leonardo da Vinci to Susan Sontag
著者 Peter Burke
分野 歴史
出版社 Yale University Press
出版日 2020/06/18
ISBN 978-0300250022
本文 「ポリマス」、それは、学問分野にとらわれずに、オールラウンドな知識を持つ博識家のことである。芸術家にして発明家、科学者など多様な側面を持っていたレオナルド・ダヴィンチ、16世紀の錬金術師、占星術師、数学者のジョン・ディー、神経学者のオリバー・サックスから、実に多種多様な活動をした批評家スーザン・ソンタグなど、歴史的に知識のフロンティアを動かしてきたのはポリマスであった。しかし、知識の専門化、学問分野の細分化がすすんだ現在の社会では、ポリマスの活動成果は単一な側面でしか捉えられず、他の側面は忘却されてしまっていることも多い。

本書の著者で、著名な歴史家、文化史家であるピーター・バークは、ルネサンスから現在までの500人の西洋のポリマスの業績を調べている。西洋の、そして結果的には全世界の知識の発展を推し進めた重要な諸局面―印刷技術の発明、新大陸の発見、科学革命―においては、ポリマスの果たした役割は無視できないほどに大きいことがわかる。バークはまた、知識のさらなる発展は専門性に特化した環境を作り出したため、ポリマス的な幅広い知識を持つ学者がますます支持されなくなってしまったことを指摘し、そして今後は再び学問領域を横断するような知が求められるのかどうかを論じている。学問と学者のあり方とその変遷を読み解いた、興味深い歴史書である。