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出版翻訳の舞台裏Column

原題 Can You Succeed Without Being a ****? The Art of Fairness, in Ten Brief Lives
著者 David Bodanis
分野 自己啓発/歴史/政治
出版社 Little, Brown Book Group
本文 成功者には闇があると思われることが多い。ビジネスにしろ、政治にしろ、私生活にしろ、高みに登りつめることのできる人間は、どこかしら腹黒いところがあり、悪いこともやっているものだ。結局のところ、正直者は損をするのだ、と。しかし実際の世界を見てみると、そうとも言えない。悪いことをしてのし上がった人間が結局はその信頼や威厳を失ったり、フェアであり続けた人間が偉大な成功者になったりすることは、驚くほど頻繁にあることなのだ。

難しいのは、フェアな成功者になるための科学的で画一的なメソッドが存在するわけではなく、生きていく上で体得する一種の技が必要だということだ。そのため本書は、フェアであり続けながら成功した人たちの伝記で構成されている。前半では、さまざまな職業、環境、目標を持った人たちの、フェアな成功者としてのライフストーリーを取り扱う。しかしそれは個人の話で、例えば政治の世界には通用しない、と考える人もいるだろう。ところが通用するのである。後半ではその例として、公正さと高潔さをもって世界の秩序を取り戻し、歴史的に偉大な政治家となった、アメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルトの生き方に迫る。

成功者になるためのさまざまな条件や価値観が溢れているこの時代において、普遍的な「公正さ」に再び光を当てた本書は、我々に本当に必要なものへの原点回帰を促しているようでもあり、今まさに読まれるべき一冊であろう。伝記という形で人々の実際の生き方を描くという方法によって、教条的な自己啓発書とは異なり、読者が共感して読み進めることができるようになっている。