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出版翻訳の舞台裏Column

原題 Retail Isn't Dead
著者 Matthias Spanke
ページ数 137
分野 マーケティング、広告、インターネット・ビジネス、ビジネス自己啓発、経済学
出版社 Palgrave Macmillan
出版日 2020/01/11
ISBN 978-3030366490
本文 e-コマースは小売り産業に驚天動地の変革を与えつつある。消費者はweb画面に掲載された無数の商品群の中から、好みの商品をワン・クリックで選定し、支払いもワン・クリックだ。商品は数日以内に送付されてくる。消費者はスピードと利便性を好むのだ。販売する企業にとっても店舗を所有・維持するコストはないし、在庫管理も不要となり、低価格の商品提供が可能となる。リテール業界の変化のスピードはすさまじい。明日のための戦略は、明後日にはもう昨日のものとなってしまう。それでは、従来型の来店誘致型小売り店舗には、生き残る道はないのか?いや、そうではない。時間にしばられない永遠の戦略がある。カスタマー・サティスファクション(顧客満足度)だ。

著者は新しい小売り店舗の販売促進戦略立案・実行のエキスパートだ。小売店舗のメリットは、消費者が商品をその場で実際に自分の目で見て、触って、聞いて、確認できる。その場で実際に商品やブランドを体験できるのだ。これこそ、カスタマー・サティスファクションの神髄だ。本書は、著者がかかわった様々な戦略を具体的に紹介する。ナイキ(米:スポーツ・シューズ)はニューヨークに5階建ての巨大なビルをもつ。「買う前に、実際に履いて試せ」がコンセプト。ビル内に広いバスケット・コートや人工芝のサッカーコートを備え、大画面スクリーンで試合コートの臨場感。いたるところにあるカメラがフォームを捉えてシューズの履き心地を体験させる。専門のスポーツ・アドバイザーのサポートもある。シャーロット・ティルブリー(英国:化粧品、スキン・ケア)は、リテール・テクノロジーを利用する。マジック・ミラーが売り物だ、消費者はミラーに映し出された自分の顔でいろいろな化粧姿を仮想的に試すことができ、好みの化粧品の組合せを簡単に選択できる。イケア(スウェーデン:家具)は、店舗の中でいろいろな家具類をバーチャル・コーディネートして、自分がその中でくつろぐ姿を疑似体験できる。各社各様のさまざまな販促戦略が具体的に紹介されている。本書は間違いなく、今後の小売り戦略のバイブルとなるのではないか。