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原題 The Invisible Rainbow
著者 Arthur Firstenberg
ページ数 576
分野 通信/生命科学/脳/精神医学/社会問題/環境・公害
出版社 Chelsea Green Publishing
出版日 2020/03/09
ISBN 978-1645020097
本文 本書は、電気・電磁波が人体に与える悪影響について歴史的視点をもって考察し、現代社会に極めて強い警告を発した一冊である。
雨のあとには虹が出る。宇宙から降り注ぐ光の色だ。地球には空気というブランケットがあり、太陽光線の害を吸収している。さて、現代の地球には色のない不可視(invisible)の光がある。電気・電磁波だ。1700年代半ば以降、イギリスやフランス、アメリカで電気が灯り、1860年以降にはテレグラフ・ワイヤー(電信線)が地球に張り巡らされた。糖尿病、心臓病、ガン、過度の精神緊張、精神不安症が急激に増えてくるのはこの時からである。それまでは、まれな病気だった。

携帯電話の電波、Wi-Fi は見えない文明の触手だ。多くの人が携帯電話で頭痛をおこしている。眠りと記憶にも影響を与える。
1996年デジタルサービスが著者の町に張り巡らされた時、多くの人が病気になった。だが報道では、「北部アメリカのインフルエンザは1996年10月から1997年5月まで流行、多くの伝染者が出た」という記事のみ。著者は、我々は多かれ少なかれ「電気処刑」になっているという。そして、この事実が200年以上も言葉巧みに隠されてきており、これが最大の問題だと指摘する。

本書の構成は全17章。1746年、科学の申し子ともいえる電気時代の到来から現代まで、電気の功罪を描写する。科学は万能ではない。分かっていないことがいくらでもある。我々一人一人が、電磁波とどう向き合うか、真剣に考えさせられる一冊だ。