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原題 Crime Dot Com
著者 Geoff White
ページ数 344
分野 テクノロジー/IT/社会問題
出版社 Reaktion Books
出版日 2020/08/10
ISBN 978-1789142853
本文 2000年5月4日、フィリピンから謎のメールが送られた。本文にはこう書かれている。「添付されているラブレターを確認して頂けませんでしょうか」
メールに添付されていたものはラブレターとは程遠い、とんでもない代物であった・コンピューター・ウイルスである。数日のうちにこのメールおよびウイルスは世界中に拡散され、銀行や放送局や英国議会までを混乱に陥れたという。これこそが、「クライム・ドットコム」の時代の幕上げを象徴する、衝撃的な出来事となった。
1970年代アメリカのヒッピーな気質のあった技術屋コミュニティから現代まで、ハッキングに携わってきた多くの人たちへのインタビューを通じて、著者はハッキングという行為の歴史とその進展について紐解いていく。
また、サイバー犯はどのような戦略を取っていて、そしてそれはなぜか。ハッキングに関連するサイバー犯罪の裏側までも深く解説される。
アノニマスやダーク・ウェブ。不倫者向けマッチングサイトから選挙不正まで。過去から現在、そして未来に何が待っているのか。私たちが自分自身を守るために出来ることは何があるのかについて、示唆を与える本である。