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原題 AGELESS JELLYFISH, ANCIENT SHARKS AND A RADIATED TORTOISE
分野 生物学・生命科学
本文 390年以上も生きているサメがいる。しかもこれからさらに1世紀生き続けるだろうと科学者たちは考えている。ある樹木の根系は1万4千年以上も生きているという。それどころか身に危険が近づくと成長の過程をさかのぼり初期の段階に戻ってしまうクラゲさえいる。こうした動植物の生態が我々に示唆するものはないだろうか。

人類は長い間、不死、長寿、若返りの秘訣を探ってきた。多くは単なる言い伝えや何の根拠もない噂であったが、科学の進歩により幼児致死率が下がりワクチンや治療法の開発により根絶される病気もある中、次なるステップはアンチエイジングと長寿をいかに成し遂げるかである。本書では自然から学んだ知見や人間のメカニズムを研究した成果を駆使して、老化防止についての科学的な考察を披露している。

活性酸素・フリーラジカルが体内に過剰になると老化や病気につながると考えられてきたが、フリーラジカルによって生じるストレスが体を丈夫にし、健康にしてくれることがわかった。またオートファジーという作用によって我々の体は傷んだ細胞を吸収し諸器官を修復することによって寿命を延ばす。この働きは年とともに衰えるがそれを回復させる方法があるという。イースター島の土壌にはアンチエイジングに役立つバクテリアが含まれていることがわかった。こうした研究や発見はもしかしたら人類の夢――不死—―への第一歩かもしれない。

他にも、体が小さいと平均余命が長い、輸血によって長生きができるかもしれない、激しい運動はアンチエイジングに役立つ、といった興味深い話が満載である。健康と老化防止について気軽に楽しく学べる本である。