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原題 CHOOSE POSSIBILITY
著者 Sukhinder Singh Cassidy
ページ数 272
分野 ビジネス自己啓発、経営
出版社 Houghton Mifflin Harcourt
出版日 2021/08/17
ISBN 978-0358525707
本文  キャリアの節目で、どのような決断が次のステップを成功に導くのか。リスクを取る際に何を検討し、失敗の恐怖をどう乗り越えるのか。決して順風満帆ではないキャリア人生の中で着実に経験を積み、テック企業経営者として広く評価されるまでになった筆者が、自身の体験を元に、決断の仕方、リスクの取り方を伝える。仕事で新たな挑戦をしたい、新たな職場で自分を試したいと考える人が、読むうちに力が湧いてくるようなガイド本だ。

 著者によると、リスクを取るということは、人生の一大イベントではなく、繰り返し挑戦する過程のことだという。失敗も経験するが、何回も挑戦することで、より多くの結果を得られ、そこからより多くを学び、目標もさらに明確になる。悩んでばかりでリスクを取らないことこそ最も危険だ。リスクを取ることを習慣にして、失敗にも上手く対応できるようになれば、さらに多くのリスクを取れるようになり、成長軌道に乗るという。

 リスクを取る際の一番の壁が、失敗した時の恐怖だ。そのためには、自分が何を恐れているのか明確にすることが大事だと筆者はいう。金銭的なダメージか、評価や自尊心が傷つくことか、私生活とのバランスの問題か。それに対し、どう対応できるかを考える。成功する人ほど失敗の可能性をとことん追求し、そこから立て直す策も用意してリスクを取るという。そして、リスクを取れば何を得られるのか(リスクを取らなければどんな機会を失うのか)を分析し、失敗のダメージと比較しながら決断する方法を伝える。

 他にも、直感とデータのどちらを信じるかなど、迷いそうなポイントごとに具体的なアドバイスがある。自身の体験だけでなく、広い人脈を生かしてさまざまな起業家、経営者たちのケースも紹介し、説得力がある。それぞれが波乱ありの人生劇だ。「CEOになる一番の近道は、曲がりくねった道を進むことだ」とのコメントは読者を勇気づけるだろう。